純正のリム(工芸品)
車輪は主に3つの部品で構成されています。
①リム=ハブとスポークで結合して車輪の骨格を作る部品でスポーク穴およびバルブ穴が開いている。リムには外側にチューブおよびタイヤが付く。
②スポーク=外周部分を支えているリムと、車輪の中心にあるリムをつなぐ線状の部品。
③ハブ=車輪の中心部にあって、車輪の外周にあるリムから出た全てのスポークが一点に集中する部分。
昔のリムは現代のと違います。
現代の実用車・運搬車に付いているリムの素材はステンレス、昔のは鉄でした。
鉄は重いのみならず、手入れしないと錆びてしまいます。
古い自転車を見つけるのが難しいですが、見つけても大半はリムが錆びています。
その例として、3号車のリムです。
オリジナル派の私は「なるべく元の部品を甦らせる主義」ですが、どうしてもだめならば、当時純正のものを探します。
6ヶ月間かけて探しに探しました結果は…、見つかりませんでした。
当時純正のものが見つからない場合は当時と同じ仕様の物を探します。
100年以上前からのリム製造会社の新家工業(ARAYA)に尋ねたら、素材は違うが同じ仕様のものも現在製造しているとのこと。
購入した後、ヤフーオークションで当時純正のものがいくつか現れました。
昔のモノは本当に工芸品です。
左は現代ステンレス製、右は鉄(メッキ)です。
比べ物になりませんよね。
昔の高級自転車なら、会社のロゴまでリムに埋め込まれました。
左の写真は5号車「丸嘉(Maruka)株式会社」のロゴ埋め込み新家製のリムです。
リムのセンターにライン入り(塗装の線)もあります。(右)
「いい仕事をしていますね~!」
3号社までホイールを組み立てたことはありませんでした。
前述のようにオリジナル派なので、なるべく最初に付いていた部品を甦らせます。
今回リムとスポークが無理でしたが、車輪の中心部(ハブ)を残して、ホイールを組み立てることにしました。
「The Bicycle Wheel」という専門的な本を購入して、独学だけで組み立てられるようになりました。
オリジナルかどうかどのように区別するかというと、面白いことに昔の自転車製造会社は部品一つ一つにロゴを印刻しました。
こちらはリアハブにも会社「英隆」という自転車製造会社の「マルノエイ号」。
「英隆自転車製造会社」のロゴ付き看板。
甦らせた後、もう50年走っても大丈夫!
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本当に、リム一つとっても、昔のもののつくりの細かさは、今の「大量生産」のものとは、全く違いますね!
一瞬、右と左を間違えてしまうくらい、昔のもののほうが、細かい造作が加えられていて、かっこいいな…と感じました。
細かい部品の一つ一つに至るまで、ロゴが刻印してあったということは、それだけ昔の自転車会社は、「自分の会社の商品」に、自信と誇りを持って作っていた…ということの、表れなのかもしれませんね。
投稿: mark | 2008年1月12日 (土) 09時20分
Markさん
コメントをありがとうございました。
泥除けのボルトの頭に至るまで部品一つ一つにロゴが刻印されろのは現代では考えられません。
現代の製造にはそれは通用せず、「付加価値」ではなく、「無駄」と解釈されます。
確かに安くなりますが、それだけ「味」も減ってしまうような気がしてなりません。
投稿: Markさんへ | 2008年1月12日 (土) 10時55分
綺麗にレストアされてますね
まさに芸術品です!
僕は約30年前のフレームのロードに乗って居ますが
塗装に関して悩んで居ます
塗装に関してもご自分でなさっているんですよね?
そんな記事もアップしていただきたいな〜
なんて思い勝手にリクエストさせていただきます(笑)
また、拝見させて下さい
非常に参考になります!
投稿: jin | 2008年1月12日 (土) 19時20分
コメントをありがとうございました。
塗装のつやを生み出す秘訣はコンパウンドです。
新記事を参照してください。
投稿: linさんへ | 2008年1月12日 (土) 23時38分