大不況の時代に鍛えられた祖母は、物を大事に大事にして家の中はまるで博物館のようでした。
家を訪ねる度にタイムスリップしました。
「長持ちするのはいい物の証拠」
と、96歳で一昨年他界した祖母の口癖でした。
振り返ってみると図星です。
50年以上前と思えない程塗装のツヤ。
社名・ロゴ→風切り、泥除け、クラウン、ヘッドバッジ、ブレーキ
泥除け・フォークに細いゴールド線と赤い線(ピンストライプ)は手書き!

風雨にさらされてもまだ丈夫です。
サドルに社名・ロゴ、ハンモクサドル用のオリジナル工具入れにもマグネット号の社ロゴ

「第一位通産省大臣賞受領」のオリジナルフラームカバーの文字がくっきり。

ヘッドチューブとダウンチューブのラブに社名・社ロゴ
リア泥除けとシートチューブ
リア泥除けに社ロゴ押し込み、とピンストライプ
シートチューブ バッジ

リア泥除けの社ロゴシールと手書きピンストライプのアップ

リア泥除けの固定金具や六角ネジにも社ロゴ 
クランクピンカバーにも社ロゴ(残念ながら片側は欠品でした)

リア泥除けのバッジ(七宝焼き)
六角ネジも社ロゴ付き
ピンストライプは手書き

ここでピンストライプが手書きと良くわかります。
反射板の金具にも取り付け六角ネジにも社ロゴ付き

ハンドルの握り(セルロイド製)社ロゴ

ハンドルに社名・ロゴ

普段見えないクランクまでこのような素晴らしいもの造り。
社ロゴ作り込まれています。
前泥除けの固定金具がおしゃれ。
取り付け六角ネジも社ロゴ付き

まだまだペダル、バンドブレーキ、前後ハブ、スタンド、キャリア、チェーンケース等など数多くの細かいところに製造社の社名・ロゴがあります。
そこまでもの造りに心を打ち込んだのは素晴らしい。
どうして昭和30年代後半後、つまり40年代に入ってからこのもの造りが削られたのでしょう。
個人的な推測ですが、1947年にVA/VE(Value Analysis, Value Engineering)が上陸して年に経つにつれて普及したからです。
VA/VE(価値工学)はパーツを一つ一つ機能的に分析して節約できるところを削ります。
例えば、風切り。
あってもなくてもそれほど機能性が変わりません。
あるいは、クランクに作り込まれた社ロゴは普段見えないし、機能性を追及すればなくてもより材料費・製造費など削減できます。
あるいは、上記の前泥除け固定金具はプレート、六角ネイ2本。
そのプレートに丁寧にロゴが刻まれていて、六角ネジにも社ロゴ。
現代の自転車は同じ機能を果たすのに「+」固定ネジ一本だけ。
お陰でより安いものを顧客に提供できますが、工芸品とは言えません。
最近のコメント