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2009年3月

2009年3月29日 (日)

BEタイヤ交換 【市原式】

古い自転車のファンからメールをよくいただきます。
愛車の写真を添付する方やレストア最中に困っている方等など。
先日、初めて新品のBEタイヤを交換してみたエンジニアから面白いメールをいただきました。

BEタイヤは、チューブがタイヤに完全に包まれているのが特徴です。
実用車には1 3/8インチのサイズが多い。
軽運搬車ならリアタイヤは1 3/4インチ, 重運搬車は2インチもあります。

こちらは慣れているので、工具(へら)がなくても交換できます。
しかし、新品のBEタイヤ、つまりクセがまだ付いてなくて、初めての場合には一苦労です。
誰でもできる「市原式」をご本人の言葉も写真も借りて説明いたします。
注:本人が名づけた方法→「市原式」(掲載許可をいただいています)

①チューブをちょっと膨らませてタイヤに包み、養成テープで固定。
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2.ビニール紐で同じように固定する。Pic_1593 Pic_1592

3.養成テープを全て取り去る。
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4.リムにはめ込む。
Pic_1597 Pic_1598

5.ビニール紐を切って、タイヤから引き抜く。Pic_1599 Pic_1600 Pic_1601

6.空気を入れて完成。
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ご本人の報告
テープとひもの固定は少し時間がかかりますが、それでも15分くらいです。
リムにはめ込むに掛かった時間はたった1分!

2009年3月14日 (土)

マグネット号のまとめ【下編】  「From Trash to Treasure」 

大不況の時代に鍛えられた祖母は、物を大事に大事にして家の中はまるで博物館のようでした。
家を訪ねる度にタイムスリップしました。
「長持ちするのはいい物の証拠」
と、96歳で一昨年他界した祖母の口癖でした。
振り返ってみると図星です。

50年以上前と思えない程塗装のツヤ。
社名・ロゴ→風切り、泥除け、クラウン、ヘッドバッジ、ブレーキ
泥除け・フォークに細いゴールド線と赤い線(ピンストライプ)は手書き!

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風雨にさらされてもまだ丈夫です。
サドルに社名・ロゴ、ハンモクサドル用のオリジナル工具入れにもマグネット号の社ロゴ
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「第一位通産省大臣賞受領」のオリジナルフラームカバーの文字がくっきり。
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ヘッドチューブとダウンチューブのラブに社名・社ロゴBlogimg_7700

リア泥除けとシートチューブ
リア泥除けに社ロゴ押し込み、とピンストライプ
シートチューブ バッジ
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リア泥除けの社ロゴシールと手書きピンストライプのアップ

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リア泥除けの固定金具や六角ネジにも社ロゴ Blogimg_7696

クランクピンカバーにも社ロゴ(残念ながら片側は欠品でした)
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リア泥除けのバッジ(七宝焼き)
六角ネジも社ロゴ付き
ピンストライプは手書き
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ここでピンストライプが手書きと良くわかります。
反射板の金具にも取り付け六角ネジにも社ロゴ付き
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ハンドルの握り(セルロイド製)社ロゴ
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ハンドルに社名・ロゴ
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普段見えないクランクまでこのような素晴らしいもの造り。
社ロゴ作り込まれています。
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前泥除けの固定金具がおしゃれ。
取り付け六角ネジも社ロゴ付き

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まだまだペダル、バンドブレーキ、前後ハブ、スタンド、キャリア、チェーンケース等など数多くの細かいところに製造社の社名・ロゴがあります。
そこまでもの造りに心を打ち込んだのは素晴らしい。

どうして昭和30年代後半後、つまり40年代に入ってからこのもの造りが削られたのでしょう。
個人的な推測ですが、1947年にVA/VE(Value Analysis, Value Engineering)が上陸して年に経つにつれて普及したからです。
VA/VE(価値工学)はパーツを一つ一つ機能的に分析して節約できるところを削ります。
例えば、風切り。
あってもなくてもそれほど機能性が変わりません。
あるいは、クランクに作り込まれた社ロゴは普段見えないし、機能性を追及すればなくてもより材料費・製造費など削減できます。
あるいは、上記の前泥除け固定金具はプレート、六角ネイ2本。
そのプレートに丁寧にロゴが刻まれていて、六角ネジにも社ロゴ。
現代の自転車は同じ機能を果たすのに「+」固定ネジ一本だけ。
お陰でより安いものを顧客に提供できますが、工芸品とは言えません。

 

2009年3月 8日 (日)

マグネット号のまとめ【上編】 「From Trash to Treasure」 

ジャンクとして出品されていた「マグネット号」。
殆どの人は「ジャンク」としてしか見ないでしょう。
しかし、昭和20年代後半~昭和30年代前半の優れていた自転車のモノ造りが分かるならば、「ジャンク」でなく、「眠っている宝物」に見えます。

百文は一見にしかず、というようにレストアの「BEFORE・AFTER」を簡単にまとめました。

欠品:タイヤ、ライト、左クランクアーム、左クランクピンカバー、左ペダル
交換したパーツ:前後リム、スポーク、タイヤ、ベル、ブレーキパッド
塗装したパーツ:荷台、スタンド
後はすべてオリジナルそのままを甦らせただけ。

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セルロイド握り
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荷台とスタンドを再塗装
(ダイナモはオリジナルで元々前輪に付いていました。)
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メッキが輝いてきたが、ガサガサで少し剥がれがあります。Blogimg_3750Ba_img_7774

荷台とスタンドを再塗装しました。
リア泥除けの名前(白い字)がコンパウンドで落ちてしまいました。
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ランプは同じ年代「松下製、6V8W」Blogimg_3742Ba_img_7764

悩みの種のチェーンケース。
結局再塗装せず、オリジナルのまま。

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タイヤは同じ年代の新古品、ブレーキパッドが新品Blogimg_3741Ba_img_7761_3

サドルの弛みをなくしました。
偶然、以前落札したハンモックサドル用の革製工具入れが「マグネット号」用でした!(参照→革製工具入れ)
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オリジナルダイナモ(6V8W))をリアに移しました。
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ベルを甦らせるのは無理がありました。
同じ年代の回転式ベルを付けました。Img_3756Ba_img_7776_2

全体
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全体
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次回マグネット号のまとめ【下編】

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