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2010年6月 5日 (土)

耳付き(BE)タイヤ

I'll be back soon with another post in English, until then, "stay trued and happy wheels".

前回の記事で世界で知られているリム製造会社 新屋(Araya) のHPを見たら、製品ラインアップにBEリムはありませんでした。
新屋(Araya)に連絡したら、BEリムは廃盤になり、もう生産する予定はないそうです。

BEリムはなかなか手に入りませんが、BEタイヤは探せばまだあります。
但し、サイズは限られています。
26x 1" 1/4 (軽快車)や 26x2"以上の重運搬車用のサイズは見つかりません。

幸い最も多いサイズ26x1" 3/8 (実用車用) と26x1" 3/4 (軽運搬車用)のサイズは手に入ります。
1.BE Tires (1)
2.BE Tires (2)
3.BE Tires (3)
4.BE Tires (4)

BEタイヤ(引掛け方式)
BEタイヤは「耳付きタイヤ」と呼ばれています。
鉄リムで大量生産された空気タイヤの最も古いタイプの一つ。
リムに嵌合される部分にゴムが入っているタイヤ。
チューブがタイヤに完全に包まれていて、空気圧でリムから外れない方式。
チューブが完全に包まれるから、チューブのバルブをタイヤに通ぜるようにタイヤの両端に穴を空けなければなりません。空気バルブの穴あき工具
Be1

針金方式 Wired-On Tire (W/O)
WOタイヤはリムに嵌合される部分にワイヤー(硬銅線)が入っているタイヤ。
空気が抜けてもリムから外れない方式。
Wo1

古いBEタイヤの面白いことはタイヤのトレッドに社名も形成されています。
現代はこれを見かけません。 
(タイヤトレッドに「THE MARUKA TYRE」に注目)Img_9300_3

昭和33年のカタログからの写真です。
全てのタイヤ・トレッドに社名・社ロゴが形成されています。
P1080545

一つを見てみましょう。
タイヤトレッドに 英語でも日本語でも「THE BULL DOG TYRE ブルドックタイヤー」 とその上に社ロゴのブルドックの顔も付いています。
P1080539

「必要性は発明の母」と言われています。
空気タイヤは実に素晴らしい発明です。
それまでタイヤはゴムの固まりでした。
しかし、空気タイヤは振動を吸収するだけではなく軽量。
空気タイヤの発明者はどなたでしょうか。

John Boyd Dunlop (1841-1921)
John_boyd_dunlop_418px_2 

John Boyd Dunlop (1841-1921)の子息は、三輪車に乗る度に硬いタイヤとガタガタ道で頭痛に悩まされていました。
そこで、クッションになるようにJohnは空気タイヤを作りました。
1888年に特許を取りましたが、その2年後に取り消されました。
実は40年前に同じスコットランド人のRobert William Thomson (1822-1873)が先に別のデザインで特許を取っていたのでした。
トムソン氏のデザインは面白い。
数本空気入りチューブを革(タイヤ)に包んだデザイン。
よく考えると、チューブ数本があるから、現代のチューブ一本で空気抜かれたらお終いではなく空気圧が少し減るだけ。
しかし、チューブ交換が大変そうですね。

Tyres1_2

ダンロップは、昔は有名な自転車タイヤ製造会社でした。
「THE DUNLOP TYRE」がトレッドに、ダンロップ氏の顔もタイヤの横に形成されています。
下記の写真で先ほど説明した「耳」がよく分かります。
タイヤの両側に「耳」があってチューブの空気入りバルブを通すために耳に穴を空ける必要があります。
そのために空気バルブの穴あき工具があります。 

P1000432a

P1000434

トレッドにダンロップ氏の顔が形成されている例もあります。
Image143_3

当時の自転車のパーツ一つ一つには必ずといっていいほど、社名・社ロゴが少なくても1つは付いています。
BEタイヤも例外ではありません。
タイヤの両側にも、トレッドにも日本語でも、英語でもそして社ロゴまで。
いい仕事をしていますよね~~!

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コメント

はじめまして。
昭和20年頃の自転車のタイヤは太かったように思うのですが、規格寸法などサイズの見方はあるのですか?いろいろな写真を見ているのですが、だんだんどれが太いのか見分けがつかなくなってきました><。

タイヤのサイズはリムのサイズに寄ります。
実用車は一般的に26x1 3/8 BEです。
軽運搬車ならば26x1 3/4 BE, 重運搬車となると
26x2 BEです。
リムにサイズが刻印されているので、ご確認下さい。タイヤにもサイズが掛かれています。
BEリムやタイヤは手に入りにくくなり来ています。

ダイヤモンドフリー号の耳付きタイヤを探しています。イギリスから24X21/4タイヤを取り寄せたのですがリムの方が大きくて タイヤが使えません。日本のサイズとイギリスのサイズでは規格が違うのでしょうか??

そのダイヤモンドフリー号のリムにサイズが「24x2 1/4」と刻印されてていますか。
イギリスと日本の規格が同じかどうかわかりませんが、例え同じとしても新BEタイヤをリムに嵌めるのが一苦労です。こちらは26x1 3/4や26x13/8新しい日本国産BEタイヤを日本国産BEリムに嵌めようとして絶対無理と思ったこと何回もありますが、最終的に大丈夫でした。
おそらくイギリスから取り寄せたタイヤに「BE=Beaded Edge」と書いていません。イギリスで使われていた「Westwood」というリムでBEに似ていますが、互換性あるかどうか分かりません。

参照:
「Westwood」https://www.sheldonbrown.com/gloss_w.html

リムにはサイズは記載されていませんが 元々付いていたタイヤは24X2と書いてあります。オートバイと自転車では 規格が違うのでしょうか??ミステリーです

リムにサイズ及びメーカーの刻印がないのが実にミステリーとなってしまいます。

ご期待に沿えず申し訳ございません。

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