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2012年7月13日 (金)

なぜ昭和20年代後半~30年代前半の自転車が良いのか(第10回)

I'll be back with another English post soon until then stay trued and happy wheels!
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(Photos courtesy of Classical Bicycle Fan, thanks Tommy!)

第6回で述べたように、この「なぜ昭和20年代後半~30年代前半の自転車が良いのか」という連載の後半は、自転車そのものの観点を見てみたいと思います。

自転車は現代の自動車の位置づけでした。
登録して自転車税も払わなければなりませんでした。
現代の自転車の位置づけと違うため、「軽量・速さ・格好良さ」ではなく、「丈夫さ実用性ローメンテ乗り心地」が重視されていました。

今回は「工芸品」を取り上げます。

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このようなチェーンケースは珍しいです。
裏が鉄製で表は透明セルロイド製、チェーンとお洒落なチェーンホイール。
(下記アップの写真)
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3層エナメル塗装に対して金色の転写や金線引きとメッキパーツがいいアクセント。 
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「工芸品」を取り上げるにあたり、背景を取り上げたいと思います。
(第1回)で取り上げたように、軍需工場は戦後、平和産業に転換されました。
従って、この転換工場は精度が高い工作機械がありましたが、(第2回)に取り上げたように、工業仕様標準化は自転車工業を普及させるまで約10年(昭和28年~38年)掛かりました。
これと自動化の遅れ
(第3回)とを合わせ、自転車作りは主に手で行なわれ、それは工芸品と言っても過言ではありません。
軍需工場から自転車工場に転換した製造会社(第4回) は、その技術者と職人達で、高い需要と競争の中、実用車の黄金時代を築きました。

当時、日本では庶民が唯一手に入る個人交通手段でした。
自転車は2ヶ月分の給料が掛かり、交通や物運びに不可欠でした。
現代の自動車ほど地位が高く非常に貴重なものでした。
当時は自転車を登録し、自転車税もあり、まるで自動車のような扱いでした。

激しい競争の中、各メーカーは全てのパーツがメーカーオリジナルパーツ、
部品一個一個に社名や社ロゴが打ち込まれたり、鋳造されたりしました。
自転車一台につき、社名や社ロゴが100個以上ついていました。
マーク入り(社名・社ロゴ)①
マーク入り(社名・社ロゴ)②
マーク入り(社名・社ロゴ)③
マーク入り(社名・社ロゴ)④
マーク入り(社名・社ロゴ)⑤

昭和自転車、現代と作りが違うことに少しでも近付いて頂けるために、下記のビデオをご覧になって下さい。


昭和自転車現代と作りが違う(前半)


昭和自転車現代と作りが違う(後半)

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コメント

やっぱりかっこいいなあ!
職人さんの心のこもった作品は本当に
素晴らしいですね!!
ずーっと見ていたい魔力があります!!!

工芸品のようなものですね。
シンプルで頑丈で美しいです。
誇らしい。

おはようございます.

この歴史的実用自転車のシリーズ,興味深く拝見させて頂きました.こんな実用自転車でさえ,給与所得の2箇月分の価値があったとは初めて知りました.

ただ,主に小・中学校におけるスポーツ系(実用に偏らない)自転車,特にドロップハンドルや多段ギヤの禁止に反対し,その正確な基礎的知識と実技の普及を目指したい立場として,敢えて一言申し上げたく存じます.

日本では1923年の関東大震災以降,頑丈一点張りの実用自転車が重用され,主にヨーロッパの先進国の自転車メーカーに比べ,スポーツタイプの自転車の製造技術は数十年の遅れをとり,体力増強ないしは本格的なスポーツとして自転車を活用する習慣は大多数の国民の間に全く定着しませんでした.

わが日本で,専用レーン等自転車の安全な通行に全く配慮を欠く道路造り,地域造りが今日も進んでいるのは,第一に,自転車は重い,すぐ疲れる,僅かな坂も登れない,苦痛で非能率な時代遅れの役立たずというマイナスのイメージが染みついており,路上から1台残らず葬り去られるのが経済大国の実力の証明と信じられていること,さらに戦後発足した競輪にまつわる様々な事件が社会問題化した影響も否定はできないと思います.

実用自転車にはそれなりの良さがあるのかどうか分かりませんが,誠に失礼ながら,これらの自転車がジュニア世代に夢や希望を与えてくれるとは思えません.

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