山口自転車マルワイ號(①プロジェクトの選択)
I'll be back with another English post soon until then stay trued and happy wheels.
前回、「ブリヂストン自転車(①プロジェクトの選択)」で、「オールオリジナル、あまり乗られていなくてかつ保管状態がよいのがレストアプロジェクトピラミッドの頂点」と述べました。
しかし、このようなプロジェクトを見つけられるのは極めて稀です。
レストアプロジェクトピラミッドを下るにつれ、様々な風雨にさらされて壊れて錆だらけのレストアプロジェクトが一般的です。
上の写真はHさんという方から頂きました。
初めてのレストア対象のプロジェクト。
Hさんの言葉を拝借すると、「2年前、このブログを拝見し、大いに感銘を受けました。
その際には、このブログの「よいものは必ず甦る」を肝に銘じ、適宜狛江の店主にもご教示を受けました。
自転車を手掛けるのは全く初めてでしたが、このブログやしげP自転車日記など先達のWEBページなどを参考に、作業を進めました。」
Hさんの初めてのレストアプロジェクトと対象になったマルワイ號(昭和26年)の自転車を見てみましょう。
前泥除け
ブラックエナメル塗装が剥がれ、錆びています。
しかし、山口自転車のマルワイ號商標 がまだくっきり。
フォーク、クラウン、前ブレーキ
フォークにテープが巻かれています。
テープが巻かれていると長い歳月でテープが塗装に密着しテープを剥がすと塗装が剥がらてしまう場合が多いです。.
前ブレーキが結構錆びています。
ヘッドチューブとダウンチューブのラグ(継ぎ手)上に商標が少ししか残っていません。
フレーム(ダウンチューブ転写マーク)
転写マークは奇跡的に8割以上残っています。
残念なことに右端の一部が剥がれています。
自転車は全体的にぼろぼろですが、Hさんによると、「それでもこの車体を入手したのはダウンチューブ上の転写マーク(科學之精華などと書かれている)が残っている」からだそうです。
確かに綺麗で凝ったデザインや「マルワイ號 高級自轉車」・「(科學之精華」の旧漢字(號⇒号、轉⇒転、學⇒学)が時代を語っています。
ネジ類や金具など錆びています。
前泥除け・フレームと同じように塗装が剥がれ落ちています。
それにしても全体的に凹みはないしバッヂ類もいい状態です。
それにしても全体的に凹みはないしバッヂ類もいい状態です。
後ろ泥除け
前泥除け・フレーム・チェーンケースと同じように塗装が剥がれ落ちています。
泥除けステーバッヂの跡が見えます。
転写マークも微かに残っています。
転写マークも微かに残っています。
錆だらけ、メッキは僅かしか見えません。
Hさんの山口自転車マルワイ號の状態はいかがですか。
長い歳月に風雨にさらされて、壊れて塗装が剥がれ落ちていて錆だらけですね。
だからと言ってジャンクや鉄のくずと決め付けてはいけません。
それは「よいものは必ず甦る」からです。
次回、Hさんの初めてレストアプロジェクト「山口自転車マルワイ號」にどのくらい命を吹き込めたか見てみましょう。
次回、Hさんの初めてレストアプロジェクト「山口自転車マルワイ號」にどのくらい命を吹き込めたか見てみましょう。
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コメント
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先生こんにちは!
いつも興味深く拝見しております。
今回の記事はとても関心があります。
私も錆に覆われてエナメルがほとんど残ってないマルワイ號を入手したからです。
刀の鍔に付いた黒錆を愛でるように、黒錆に覆われた自転車もまた時代を生きた証のようで錆を活かしてレストアしようと思っております。
こちらのマルワイ号はどのようにレストアしてゆくのか楽しみです。
もう一台、エスビー号という婦人車のフレームも手に入れました。
こちらはオリジナルでのレストアは絶望的ですので、先生の記事にありました『雑種号』のように自由に組んでみようと思います。
どうアレンジするのか考えるのも楽しいですね。
投稿: はせこう | 2018年9月17日 (月) 02時00分
こんにちは。
拙い日本語や至らない点が多いブログなのに観ていただき、ありがとうございます。
同じような状態のマルワイ號を入手したのですね。
レストア目的や方法は様々です。
新品にどれだけ近づけるレストアや長い歳月で付いた錆、傷、凹みなどそのままにして「良い味」そのままで乗れるようにするレストアなどなど。
マルワイ號もエスビー号も楽しんで「はせこうさん流」でレストアしてください。
よろしければ完成後にビフォア・アフター写真を送っていただければ他の昭和自転車愛好家達のために投稿します。
頑張って下さい!!!
投稿: はせこうさんへ | 2018年9月17日 (月) 20時51分
お疲れ様です!
Hさんのマルワイ號、素晴らしい!何ともあじがありますね~ 今後の展開が楽しみです 今回はレストアがテーマですが愛好家仲間にはあえていじらず朽ち果てたヤレ感を楽しんでいる強者もいます ここまで行くと悟りの境地ですね(笑)自分も見習いたいものです
自分も去年の年末にマルワイ號重運搬車を入手しました 奇跡的に「ピラミッドの頂点」の車体でした これでもかと言うぐらいの金線やデカール、至る所にYの刻印、贅の限りを尽くした作りこみですねーさすが山口自轉車! この車体の刻印が「Y」と「YCW」のブレンドなんです?どちらが正しいのか?30年代初めの作りだと思われますが…。
チェーンケースも半ケースが付いていまして「YCW」のプレス刻印なので汎用品ではないようです グリスアップ程度のレストアで済みそうなので皆さんの車体と比べたら怒られそうですね
はせこうさん
久し振りのコメント拝見しました
ここにコメントする方も少ないのでまたコメントして下さいね楽しみにしてます
山口の部品が在庫になっているのでご入り用の物があったらリチャードさん経由で連絡ください♪
リチャードさん
連絡掲示板に使ってごめんなさい
投稿: マルカミ商會 | 2018年9月20日 (木) 14時13分
こんにちは。
いい運搬車を手に入れましたね。
特に重運搬車はまさに「働く自転車」でいい状態のが珍しい。
山口自転車の不思議なのは刻印が多いが、他のメーカーと違って化粧ネジを使われていなかったのでは。
今まで何台か見たことがありますが、「マイナスネジ」。
今度、是非拝見させてください。
投稿: マルカミ商会様 | 2018年9月21日 (金) 20時02分
リチャード先生、励ましありがとうございます!
マルカミ商會さま、お心遣いありがとうございます。
下回りはほぼ欠品ですが、頑張ってみます!
私も疑問に思っておりました山口の標章ですが、本来の社章である◯Yにマルワイ号ブランド用の◯YCWを用意した、だから混在している(それも割と適当に!)という認識ですが、当たってますでしょうか?笑
型番を年代ごとに辿ってゆける資料など有ればいいんですが、カタログが年代別、型番別にデジタル化されれば大分捗りますね。
投稿: はせこう | 2018年9月24日 (月) 09時51分