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2019年6月22日 (土)

鈴木商会 (勿体ない主義の教訓)

I'll be back with another English post soon until then stay trued and happy wheels.

先日、「鈴木 金太郎、91歳パンク直し」という興味深い記事を見つけました。

記事内容は、
取材を受けた91歳の自転車屋の店主が、長年の経歴、そして何年もの間に時代と自転車がどのように変わったかを思い出しています。
実に面白い記事です。許可を取れたら、いつか翻訳して海外の方にもぜひ読んで欲しいです!

7年前、つまり2012年に書かれた記事です。
ネット検索で店主のお店「鈴木商会」に辿り着き、2018年1月にお娘さんと一緒に撮られた写真がありました

「80年以上パンク直しの経歴がある方と一度お会い出来たらきっといい勉強になるだろう」と思い、西日暮里まで足を運びました。
現在お店を営んでいる娘さんが迎えてくれましたが、悲しいことにお父さん(店主)は昨年(2018年)6月に他界されたとのこと。
大変ショックでしたが、娘さんがご親切にお父さんのお話と昔のお店の写真を見せて下さり写真も撮らせて下さいました。

店主の年季があり使い込んだ作業台 

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私は、「工具が一時的に体の一部になる」と信じています。
例えばネジを回したり、ナットを固定させたり、ネジ山を切ったりすることは、一時的に体の一部になります。

手工具に手加減を加え作業するからこそ、一時的に身体の延長となるのです。
その手工具を永く使用することによって、使用者の一部が何らかの形で手工具に移ったり、手工具が何らかの形で使用者に移ったりすることがある程度まであるかと思います。
物に魂が宿るか」の記事参照。

店主の作業台を見回ると、案の定どこを見ても「勿体ない主義」の証拠があって嬉しい限りです。
勿体ない主義よりまるで「勿体ない教」でモノを大事にして直しに直して直し切れなくなるまで使用し、もう直し切れなくなったら捨てずにそのモノに尊重及び感謝を示すように別の目的を与えることによって再利用でモノが生まれ変わるのです。

少し例を見てみましょう。

1. 使い古したタイヤチューブを切って、スポークをサイズ・長さによって束ねたりします。
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2. スポークをリング状に曲げてサイズ別のナット・ワッシャーなど整理。

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3. 空ジャー・缶詰・ブリキお菓子箱など小物入れや工具入れとして使用。

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4. 使い古しタイヤチューブを工具に巻いて滑り止めにしたり工具を床に落としたら緩衝材として保護。

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5. 木製の使い古したパンク修理箱を修理して使い続けます。

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6. 自転車部品で自転車修理台及び工具入れ。
修理代の脚をよく注目して下さい。
脚がハンドル2本で出来ています。

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自転車サドルを取り外して自転車を逆さまにして修理台のピラーが自転車シートチューブに差し込みます。
写真はこちらへどうぞ。

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勿体ない主義は、昭和自転車をレストアし始めたきっかけの一つです。
15年前、昭和自転車は5千円~2万円ほどで手に入りました。
当時、少し手を加えるだけで甦らせられるシンプルで頑丈な工芸品を捨てることが信じられませんでした。
しかし、7年前くらいから昭和自転車の相場が変わってきて非常に高価になってきました。

鈴木商会は西日暮里駅から3分。 

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鈴木金太郎さんの娘さんが鈴木商会を引き継いでいました。
娘さんが思い出話をしてくださったり写真を撮らせて下さったりして心から感謝しています。

鈴木金太郎さん、安らかに…。
お会いしたかったです。

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