丸金(マルキン)自転車 (前半)
I'll be back with another English post soon until then stay trued and happy wheels.
今回は、静岡県の修復家Mさんが最近レストアされたマルキン自転車について見ていきます。
写真を送っていただきありがとうございました。
まずは、マルキン自転車の会社について少しご紹介します。
これはマルキンの商標です。
マルキンは、90年以上前の1932年(昭和7年)から自転車生産を開始しました。
1950 年代には、「マルキン自転車の唄」がありました。
(歌詞の「マルキン ホイのホイのホイ♪」は1984年とんねるずの「振り向けば自転車屋」の歌詞にも出ます。)
1972年に池袋本社工場が大火災に見舞われ全焼しました。
惨状から立ち直ることができず、1977年に自己破産し、同年にホダカ物産株式会社がブランド(商標)を買収しました。
マルキン90周年を記念して、2021年に100台限定モデルを出しました。
コンセプトは、1950年代の実用車の特徴(黒エナメル塗装、金線引き、背を伸ばして椅子に座っている姿勢、風切り、サス付きサドル、ヘッドランプ、大きな荷台、チャネル式スタンド、などなど)を彷彿とさせながらも軽量で、最新の機能とテクノロジーをすべて詰め込んだ自転車をデザインすることでした。
風切りに注目→ "Since 1932 MARUKIN".
Mさんのマルキンはよく残っていました。
ハンドルに取り付けられた鑑札も含め、オールオリジナルです。
実に眠り姫です。
オールオリジナルのみならず、それほど乗られていなくておそらく倉庫かどこか屋内で長年眠っていました。
ブリヂストン自転車(①プロジェクトの選択)で述べたように、自転車に乗った人の身体が自転車に接触した部品(握り、サドル、ペダル)の減り具合をよく見れば、ある程度その自転車がどれだけ利用されたか推測できます。
1. 握り(グリップ)
端に多少のダメージはありますが、使用感は少なく、マルキン商標が鮮明に残っています。
②革製サドル
使用感はほとんどなく、リベット周りに大きなひび割れなどはありません。
マルキン商標が鮮明に残っています。
3. ペダル
グリップやサドルと同様に、ゴムブロックペダルにも摩耗の兆候はほとんどありません。
繰り返しになりますが、マルキン商標が鮮明に残っています。
上記に加えて、前輪リムの摩擦摩耗縞や前後タイヤのトレッドを確認することも役立ちます。
このようなオールオリジナル、あまり乗られていなくてかつ保管状態がよいのがレストアプロジェクトピラミッドの頂点ですが、入手困難になってきています。
修復プロジェクトのピラミッドのさらに下には、以下の山口丸ワイ号のような、さまざまな程度の、より一般的な風雨にさらされ、壊れた錆びた遺物があります。
しかし、以前の投稿でHさんが証明してくれたように、情熱と根気さえあれば、甦らせることができます。
「マルキン自転車(後半)」では、Mさんのマルキン自転車の詳細をご紹介します。
« Marukin Bicycle (First Half) | トップページ | Marukin Bicycle (Second Half) »
「昭和レトロ自転車 (Vintage Bicycles)」カテゴリの記事
- 長寿自転車商会(取材準備中)(2024.08.11)
- Long Life Bicycle Shop (Pre-interview)(2024.07.28)
- 長寿自転車商会とサイゴンのカレー(2024.07.14)
- Bicycle Sidecar (Ambulance)(2024.02.10)
- 丸金(マルキン)自転車 (前半)(2023.07.23)
「レストア関係 (Restoration Related)」カテゴリの記事
- 金線の引き直し方(2024.01.01)
- Pinstripe Restoration Tips(2023.12.17)
- 丸金(マルキン)自転車 (後半)(2023.08.19)
- Marukin Bicycle (Second Half)(2023.08.06)
- 丸金(マルキン)自転車 (前半)(2023.07.23)
「日本語の記事 (Postings in Japanese)」カテゴリの記事
- 長寿自転車商会 (第二)(2024.10.06)
- Long Life Bicycle Shop Interview (Part 2)(2024.09.22)
- 長寿自転車商会(第一)(2024.09.09)
- 長寿自転車商会(取材準備中)(2024.08.11)
- 長寿自転車商会とサイゴンのカレー(2024.07.14)
コメント
« Marukin Bicycle (First Half) | トップページ | Marukin Bicycle (Second Half) »
コメント失礼致します。
自分は元々車の旧車が好きでしたが自転車好きの友人(友人はロードバイク好きですが)に自転車いいよ!車検も維持費も掛からないし!と勧められてから自転車の旧車が気になり興味を持ち始めました。
それから知り合いの自転車屋さんから譲って頂いたブリヂストンのジュピター号(1968年)に乗っています。
お話の通り昭和20年代後半〜から30年代前半の工芸品のような実用自転車が欲しくなってきているんですが、、オススメの実用自転車はありますか!?
投稿: 敏生 | 2024年8月28日 (水) 15時47分
こんにちは。
友人のおっしゃる通りですね。
旧車よりいいです。
・スペース取らない
・ガソリン不要
・地球にやさしい
・車検不要
・保険が安い
・維持費がかからない
・体にいい
・などなど
1968年のジュピターもいい自転車です。
昭和20年代後半30年代前半(1950年代)の実用車のお勧めはもちろん日米富士ですが、なかなか出回らなくて・・・宮田、山口、丸石、関根、丸金、水谷など皆がいい。しかし、お探しの自転車はレストア済みのもの?自分でレストアする予定でしょうか。
お住まいは東京でしょうか。
先日、ヤフオクで見たまだ出品中水谷輪業セラフ自転車は工芸品でいいプロジェクトになります。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/1145240848
他に紹介できますが、コメントが限られているのでご遠慮なくメールに送ってください。
showajitensha@hotmail.co.jp
投稿: | 2024年8月28日 (水) 19時39分