日本語の記事 (Postings in Japanese)

2022年5月14日 (土)

白黒写真の盲点 (ライン入りリム)

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1950年代(昭和20年代後半~30年代前半)の昭和自転車の写真は圧倒的に白黒です。
カラー写真は1970年代(昭和40年代ころ)から手頃な価格で主流になりました。
個人的には白黒写真が好きで、白黒写真にしかない独特な魅力があります。
ただし、白黒写真では細部が薄められるので本来の良さを見逃しがちで、実際にカラー写真で見ないと、どれだけ素晴らしいか分からない場合が多いです。
BEリムはその例の一つ。

以前の投稿でBEリムBEタイヤを見てきました。
BEリムは全体的にクロムメッキで、スポークは黒エナメルでした。
多くのリムは自転車メーカー商標リムメーカー商標刻印がありました。
ライン入りリムで実に芸術的傑作品でした。
2つの例を見てみましょう。

1つ目は、太いブルー・エナメルラインで、両側に細い赤線引きがあります。
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現代の自転車はクロムすらあまり見掛けません。
BEリムは全体的にクロムメッキ。
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BEタイヤの耳がはめ込む溝が水色に塗られていることに注目。
BEタイヤの特徴の一つは、耳がチューブを包み込むため、リムテープが不要で、その機能がBEタイヤに組み込まれていることです。
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スポークワッシャーは現代の自転車にありません。
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二つ目の例は太い黒エナメルラインで、両側に細い金線引きがあります。
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金色の商標刻印に注目。
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BEタイヤの耳をはめ込む溝は深赤色に塗られていることに注目。
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スポークワッシャーは現代の自転車にありません。
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BEリム/タイヤがお気に入りです。
多くの古いものと同じように、シンプルで、頑丈で、美しく出来ています。
重い荷物を運び、未舗装の道路に耐えられるように作られています。
BEリムに問題があるとしたら、何年にもわたって頻繁に使用し風雨に晒されると、ブレーキシューの摩擦でクロムメッキが薄くなり錆が発生する可能性があります。
新家(ARAYA)はステンレスのBEリムを製造することでこの問題がなくなりました。
残念ながら、2010年ごろ廃番になりました。

2022年3月19日 (土)

道具箱(第二回)

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前回の投稿「道具箱(第1回」では、シートチューブの裏上に取り付けられた金属製の道具箱を取り上げました。
今回は、ハンモックサドル専用に設計されていた革製の道具箱を見てみましょう。
筒型の革製道具箱で、ハンモックサドルのサスペンションコイルの中に差し込むように出来ています。
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道具箱は二重の筒で出来ています。
つまり、外側筒(本体)と道具入れの内側筒。
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道具はオレンジ色の布に包まれています。
その布は道具を固定させ、鳴らない用途と万一途中どこかでメンテすることになったら、その後手拭きができると推定します。
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中には小さな油差しと工具4本。
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油差しと工具一式 
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スパナ―類
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次回は、別の道具箱を取り上げます。

2022年2月19日 (土)

道具箱 (第一回)

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➀昭和自転車【導入偏】, ②現代の作りと違う【前半】【後半】で現代の自転車にはない昭和自転車の特徴をある程度までまとめました。
しかし、まだまだ特徴があります。
その一つは金属製の道具箱です。

金属製の道具箱は紳士用自転車にも婦人用自転車にもシートチューブの裏上に取り付けられていました。

紳士モデル
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婦人モデル
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昭和30年前後の金属製の道具箱。
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黒エナメル塗装金線引きと金色文字
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左開きでワイヤ取手を上に上げると開きます。
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中には小さな油差しと工具4本。
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油差しと工具一式
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表面にがありますが、未使用のようでした。
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緑エナメル塗装と金線引きと金色文字版
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次回、別の道具箱を取り上げます。

2022年1月22日 (土)

備えあれば、憂いなし

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先日、関東に4年ぶりに雪が積もりました⛄⛄⛄

アメリカニューイングランド地方の出身なので、積雪がない冬は冬ではありません。
と言っても先日の積雪はわずか10cm。
我が家の裏庭です。(白黒写真ではありません)
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しかし、雪は昭和自転車とどういう繋がり?
それは・・・

「備えあれば憂いなし」の諺がお気に入りの一つ。
幼少時から、故郷ニューイングランド地方で、冬に備えることの大切さを身につけました。
現在は関東に住んでいますが、冬の備えはセキネの軽運搬車に頼っています。
重量36㎏で実に頑丈。耐久性抜群!
大型リアキャリアやキラクスタンドなど、現代の自転車にはない、優れた頑丈なパーツで出来ています。
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薪を運ぶのに最適!!
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敬愛する作家、ヘンリー・デイヴィッド・ソローは、
実家から自転車でたった30分のところに住んでいました。
有名な「ウォールデン森の生活」という作品に、次のように書いています
(薪は)私を1回暖めてくれました。1回は木の根を薪にする時に、もう1回はもちろん暖炉で燃やす時に。こうして2回も人を暖める燃料は薪をおいてほかにありません。

その通り!!
実は私にとっては4回暖めてくれましす。

1回目
木を40㎝刻みに切る時。

シンプルな重労働なのでシンプルに出来るように最優先しています。
チェーンソーなし、シルキーカタナボーイ650 (市場最長の折りたたみ鋸)で丸太を切ります。
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2回目
セキネ軽運搬車か背負子で家まで搬送する時。
(薪は思ったより重いです!)
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二宮金次郎!?

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3回目
丸太を割る時。(真冬でも汗をかきます)
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4回目
暖炉で薪を燃やす時。
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ウォールデン森の生活
「人はみな自分の薪の山に敬愛の眼差しを向けます。」も書いています。
謹聴!謹聴!
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薪の数だけ達成感があります。

2021年12月26日 (日)

丸石風切(カンガルー)第7回

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この連載(第1回2回3回4回)では、
丸石商会が使用しているカンガルー商標の起源は、明治45年(1912年)にイギリスのコベントリーPremier Cycleから輸入したプリミアモデルだったことに辿り着きました。
第5回では、丸石商会は1912年以前に、米国ニューヨーク州バッファロー市のPierce Cycle Companyから自転車を輸入していたことを指摘しました。
そして、前回(第6回)丸石商会が初めて使用した専用の商標を見ました。  

今回の丸石商会連載最終投稿では、丸石ビルディングを見てみたいと思います。
昭和6年(1931年)に竣工され、東京建物遺産としてまだ残っています。
2002年に「日本の有形文化財」に登録されました。

昭和12年(1937年)の2つの図です。
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昭和28年、29年、31年 (1953年、1954年、1956年)丸石ビルディングの写真が使用された丸石商会(MARUISHI SHOKAI)英語の3つの広告。

昭和27年 (1953)
1953

昭和28年 (1954年、自転車に乗っているネオンサインに注目 )
1954

昭和31年 (1956年、ネオンサインの自転車に注目 )
1956

丸石ビルディングは保証メダルにも使われていました。
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ビルデングの1階は特に入口が凝った作り.
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写真の提供 レトロな建物を訪ねて

丸石ビルディングの写真を見て
是非、入口のライオン及び多数の動物彫刻の凝った作りにご注目ください。

2021年12月12日 (日)

Maruishi Fender Ornament (Kangaroo) Part 7

次回この記事の日本語版を投稿します。

In the first four installments (Part 1, Part 2, Part 3, Part 4) we traced the origin of the kangaroo trade mark used by Maruishi Shokai on its Premier model which was first imported from Premier Cycle of Coventry, England in 1912.  In Part 5 we noted that even prior to 1912, Maruishi was already importing bicycles from the US, namely Pierce models.  And, in the previous post (Part 6), we looked at the other trade mark first used by, and exclusively for, Maruishi.

In this post, the final installment in the Maruishi series, we will look at the Maruishi Building.  Completed in 1931 the building still stands today and is an important part of Tokyo architectural heritage. In 2002 the building was registered as a "tangible cultural property of Japan".

Here are two illustrations of the building dating back to 1937.
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Here are three English advertisements from 1953, 1954 and 1956, which feature the Maruishi Building.
(1953)
1953

(1954  Note the "neon cyclist" sign)
1954

(1956  Note the "neon cyclist" sign)
1956

The building was also used on some Maruishi guarantee medals.
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The ground floor is quite ornate, espescially the entrance.
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Photo courtesy of レトロな建物を訪ねて

So, take a look at the photos of Maruishi Building and pay attention to the ornate entrance with its stone lion guardians and many other animal sculptures. 

2021年11月27日 (土)

丸石風切(カンガルー)第6回

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この連載(第1回2回3回4回)では、
丸石商会が使用しているカンガルー商標の起源は、明治45年(1912年)にイギリスのコベントリーPremier Cycleから輸入したプリミアモデルだったことに辿り着きました。
そして前回(第5回)で、丸石商会は1912年より前から、米国ニューヨーク州バッファロー市のPierce Cycle Companyから自転車を輸入していたことを指摘しました。

ここまで丸石商会がプリミヤモデルに使用していたカンガルー商標に注目して来ましたが、実は商標をもう一つ使用していました。 
それは、読んで字のごとくになっています。
丸(〇)の中に石➡丸石

丸石商標付き保証メダル
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丸()の中に➡丸石
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丸石商標付きヘッドバッジ.
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同じ商標がピアスモデルに使用されました。
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風切にも
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看板や広告などにも
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(以下の広告に丸石商標が4つありますが、見つけられますか)
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前掛けにも

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昭和31年(1956年)の輸出カタログ広告に、丸石ビルディング屋上のネオンサインの商標が載っています。
当時、取り扱っていたブランド名に注目。
・Premier
   (元々イギリスのコベントリーPremier Cycleから輸入)
・Pierce
 (元々米国ニューヨーク州バッファロー市のPierce Cycle Companyから輸入)
・Golden Arrow
   (不明)
・Maruishi
 (独自ブランド)
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次回、丸石の最終投稿では、昭和6年(1931年)に完成し、現在も「日本の有形文化財」として登録されている丸石ビル(上)を取り上げたいと思っています。


2021年10月31日 (日)

丸石風切(カンガルー)第5回

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この連載(第1回2回3回4回)では、
丸石商会が使用しているカンガルー商標の起源は、明治45年(1912年)にイギリスのコベントリーPremier Cycleから輸入したプリミアモデルだったことに辿り着きました。
それよりも前に、丸石商会は米国Pierce Cycleからピアス(Pierce)というモデルを輸入していたこともあります。
Pierce Cycle Companyは、リアショックアブソーバー、フロントリーフスプリングフォーク、チェーンレスドライブを備えた下記のような革新的なモデルを提供しました。
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Courtesy of Pierce-Arrow Society

これはPierceのヘッドバッヂ。
会社のスローガン「Tried and True」に注目。
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Courtesy of The Buffalo Transportation Pierce-Arrow Museum

丸石商会のPierceモデルのバッヂにも"Tried and True"(実績あり信頼できる)スローガンが刻印されています。

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Piercetried-and-true

海外から輸入した自転車の選択が鋭かったです。

2021年10月10日 (日)

丸石風切(カンガルー)第4回

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前回の丸石風切(カンガルー)第3回では、
95年前の出版物にイギリスのコベントリーのPremier Cycle Co. Ltd., が1912年から日本に自転車を輸出していると記載していたことを書きました。
1920年に兵庫県の製造拠点として日英自轉車製造株式會社(The Anglo-Japanese Cycle Mfg., Co., Ltd. ➡省略名A.J.C.を設立しました。
A.J.C.は日本国内でPremierモデルの自転車を製造し、丸石商会(Maruishi Co.)が販売代理店を務めました。

これは、イギリスのコベントリーのPremier Cycle会社が使用していたカンガルーの商標です。
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(Photo property of ONLINE BICYCLE MUSEUM)

A.J.C(国内製造拠点)と丸石商会(Maruishi Co. 販売代理店)の両方がカンガルーを商標として使用していました。
しかし、なぜカンガルーの商標が何種類もあるのがは謎のままです。

丸石商会 (Maruishi Co.) カンガルー
ヘッドバッヂ
Premier-head-badge-japan-bicycle-guide
Premier-head-badge

保証メダル
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風切
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よく見ると綴りが間違っています➡ "Premier"がPrimierになっています。
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A.J.C. Kangaroo
ヘッドバッヂ①
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ヘッドバッヂ②
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保証メダル ➀
Premier-guarantee-medal

保証メダル ②
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同じA.J.C.でも丸石商会でも商標のカンガルーにはいくつかのバージョンがあります。
なぜかまだ謎のままです。
謎は多いのですが、残念ながら解く時間は少ないです。

2021年9月11日 (土)

丸石風切(カンガルー)第3回

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前回の丸石風切(カンガルー)第2回では、
丸石自転車の商標のカンガルーはイギリスの Premier Cycle Co, Ltd.,が起源と推測を述べました。

1884年、イギリスのコベントリーにHillman Herbert & Cooperという会社がやや小さ目のオーディナリ自転車を作って、カンガルーと名付けました。
1892年に同社は社名をPremier Cycle Co. Ltd.に変更しましたが、ロゴとしてカンガルーをそのまま使用。

そして、Premier Cycleのカンガルー商標付き保証メダル2個を見ました。
1個目は「A.J.C. Mfg. Co.」と2個目は「 Maruishi Co (丸石商会)」。
A.J.C. Mfg. Co.」とは一体何の省略?
丸石商会とどういう繋がり?。
答えは大正15年(1926年)の出版物にありました。
95年前!!

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A.J.C. というのは Anglo-Japanese Cycleの省略。
(The Anglo-Japanese Cycle Mfg, Co., Ltd. ➡日英自轉車製造株式會社)

Premier Cycleは明治45年(1912年)から自転車を日本に輸出していました。

大正9年(1920年)に 日英合同で製造するためにA.J.C. (日英自轉車製造株式會社 The Anglo-Japanese Cycle Mfg., Co., Ltd.)を創設しました。
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会社は兵庫県神戸市筒井町にありました。
工場敷地1300坪。
(写真を拡大して見て下さい。)
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商品の輸送に馬車を使用していることが時代を物語ります。
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従業員は約350人
年間製造台数は自動自転車(バイク)5千台、自転車は3万5千台。
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プリミヤ(Premier) 自転車 (大正15年、1926年)
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ということで、A.J.CはPremierモデルの自転車を製造し、丸石商会(丸石株式会社)は販売代理店を務めていました。
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この本のお陰で、丸石自転車の商標のカンガルーの起源は、
推測通り、1884年、イギリスのコベントリーにHillman Herbert & Cooperという会社がやや小さ目のオーディナリのカンガルーという名付けた自転車になります。

 

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