I'll be back with another English post soon until then stay trued and happy wheels.
ヘッドランプ連載の最終回です。

「ヘッドランプ第1回」(国産ヘッドランプの紹介)
「ヘッドランプ第2回」(さまざまな取り付け位置とランプ掛け)
「ヘッドランプ第3回」(昭和30年以前3つの特徴)
「ヘッドランプ第4回」(昭和30年以降の特徴)
「ヘッドランプ第5回」(補助球、速度計、走行距離計付きランプ)
「ヘッドランプ第6回」(照射光焦点調節)
「ヘッドランプ第7回」(電線の編み方)
「ヘッドランプ第8回」(ダイナモ式以外のヘッドランプ)
「ヘッドランプ第9回」(電池式ヘッドランプ)
ダイナモ (発電機)

非常に古いダイナモです。
本体に注目。
仕上げは黒エナメルです。
ダイナモを作動・ロックさせる往復レバーがないことにも注目。
往復レバーが欠けているわけではありません。
昔のダイナモはこんなものでした。
であれば、「ダイナモに往復レバーがない場合、どうやってダイナモを作動・ロックさせるのでしょうか?」
最後までお読みください。

バッヂには「SUPER CHERRY DYNAMO LAMP」12V 0.5 Ampsと書かれています。
JIS (日本工業規格) マークがないので少なくても65年以上前のものです。

底部にはヘッドランプ用とテールランプ用の 端子2本があります。
区別が付くようにテールランプ用の端子は赤色で塗られたそうです。

National ブランドのダイナモを 2台紹介します。

繰り返しになりますが、どちらにもダイナモを作動・ロックさせる往復レバーがありません。
両方ともバッヂが付いています。
ただし、左側の方は JIS (日本工業規格) マークがなく、製造元は「SANYO ELECTRIC CO. LTD」ではなく「SANYO ELECTRIC WORKS」であるため、右側の方より明らかに古いです。
両方のバッジは、ヘッドランプ「H」とテールランプ「T」の電圧/ワット数が表示されています。


どちらも底部に 端子2本があり、「H」 (ヘッドランプ) と「T」 (テールランプ) の刻印があります。


ダイナモの年式は、ダイナモに往復レバーが装備されているかどうかに基づいて大まかに判断できます。
限られた資料に基づくと、往復レバーは 昭和31年(1956 年)にナショナル ブランド モデルで初めて輸出カタログに登場し、昭和33年(1958 年)までに事実上他のほぼすべてのメーカーが動向に追随するようになりました。
下の写真は昭和31年(1956年)の輸出カタログからのものです。
説明では、National ブランド (右下) のみに「往復レバー」が装備されていることに注目。

昭和33年(1958年)の輸出カタログ。
説明では、すべてに「往復レバー」が装備されていることに注目。

ダイナモもう2台を見てみましょう。
どちらも「 往復 レバー」が装備されているので昭和31年(1956年)以降のものです。

往復レバーは便利な機構です。
レバーを押し下げる(モデルによって引き上げる)と、バネ仕掛けのロックが解除され、ダイナモ ローラーがタイヤに成形されたダイナモ ローラー用トラックにもたれかかり作動します。
ロック状態

ロック解除→作動状態

左: レバーを押し下げてロック解除→ダイナモ作動させる
右: レバーを引き上げてロック解除→ダイナモ作動させる

ダイナモが作動すると、ローラーがタイヤに擦れて抵抗が生じ、ペダルを漕ぐのが少し重くなります。
日中、使用しない時はダイナモをロックしておきます。
往復レバーが登場する前は、ダイナモを作動させるのに一苦労及び手が汚れました。
手でダイナモ本体を握って、前方にしっかりと引っ張ってバネ仕掛けの機構(ロック)が解除するというものでした。
ダイナモをロックするには、前方に引っ張って元の位置にひねる必要があるのと同じくらい一苦労及び手が汚れました。
こちらは、引き上げて係合するダイナモレバーが付属した非常に珍しいチェーンです。

チェーンの長さは50cmです。
一端はダイナモレバーの小さな穴に取り付けられ、もう一端はハンドルのフロントブレーキロッドにクリップされるか(ダイナモをフロントフォーク、前輪に取り付ける場合)、またはサドルスプリングにクリップされます(ダイナモを シートステー、後輪に取り付ける場合)。

チェーンを引き上げるとダイナモレバーが上昇してロックが解除しダイナモが作動し、ライダーは降りずにダイナモを作動させることができます。

最後に、付属品をもう一つ。
ローラー用泥除けです。









以上、フロントヘッドランプ(ヘッドライト)連載でした。
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