日本語の記事 (Postings in Japanese)

2023年10月 1日 (日)

丸金(マルキン)自転車 (番外編)

I'll be back with another English post soon until then stay trued and happy wheels. 

マルキン自転車ポスト(前半)(後半)の番外編です。

静岡県の修復家Mさんが、昭和自転車がいかに凝った細工で作られているかを知ってもらいたいとの思いで、追加の写真を送ってくれました。
これらの写真は、昭和自転車愛好家にとってはめったに見られない部分を閲覧できる貴重な機会となります。
では、見てみましょう。

マルキン自転車株式会社が実際に販売用に使用していたフレームカットアウトモデルの写真です。
1950 年代、自動車はまだ大多数の家庭に手が届かず、手頃な価格の主な個人交通手段は自転車でした。
実用性を重視しました。
自転車は鋼鉄でできているため、あらゆる天候で使用され、舗装された道路は原則ではなく例外であるため、強度、防水性、防錆性が求められました。

これらの重要な特性を強調するために、カットアウトモデルはマルキンだけでなく多くのメーカーで使用されました。
エナメル塗装、クロームメッキパーツ、金線引きバッジ、刻印、転写マークは魅力的ですが、塗装の下や内側を覗く機会はありません。
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売り手はカットアウトモデルを使用すると、買い手に製品の内部の品質を肉眼で確認してもらうことができます。
下地、塗装・フレームバテッドチューブおよびラグの厚み、錆を防ぐために講じられた措置など見えます。
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ヘッドチューブのカットアウトモデルだけでなく、重要なボトムブラケットのカットアウトモデルも、メーカー製品の品質を強調するために使用されています。
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3バッテッドチューブ
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このようなカットアウトモデルを見ると、なぜ昭和自転車が非常に頑丈で、元の所有者よりも長持ちすることが多いのかが容易に理解できます。

最後に、余談ですが、M さんは愛車のマルキン自転車に合わせるために、本物のビンテージ・マルキンつなぎ服を手に入れました。
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Mさんを応援します!
頑張ってください。

2023年8月19日 (土)

丸金(マルキン)自転車 (後半)

I'll be back with another English post soon until then stay trued and happy wheels. 

今回は、前回に続いて、静岡県の修復家Mさんが最近レストアされたマルキン自転車の詳細を見ていきます。
改めて、写真を送っていただきありがとうございました。

前回の投稿で見たように、修復にはさまざまなアプローチがあります。
Mさんのレストアの目標は、オリジナル塗装とメッキを綺麗にし、メカのオーバーホールとグリスアップを行うことで、「ビユーセージ」を維持することでした。

マルキン風切りは流線型で品があります。
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その流線型は、あの悪名高い機関車、リーハイ・バレー・ブラック・ダイヤモンドを彷彿とさせます。
風切りの両側に「マルキンの自転車」。
泥除けの先端にもマルキン商標刻印
多数の商標刻印は、自転車が 1950 年代から 1960 年代初期に製造された指標です。
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1950 年代の特徴がすべて備わっています。
全部品はオリジナルで、「Marukin」かその商標の刻印が付いています。
前ブレーキ
B

前泥除けステー
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前ハブ
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前リム
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レストア前と後を比較すると、M さんはオリジナルメッキを甦らせる目標を達成したことが分かります。
レストア前
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レストア後
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ベルと握り
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ヘッドチューブラグの裏側にある商標は、1950 年代から 1960 年代初期自転車の指標です。
フォーククラウン両側にも刻印。
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ヘッドベアリングカバーにも小さなマルキンの商標刻印が入っています。
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ヘッドバッヂは奇跡的にまるで新品状態。
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マイナス兼六角頭フェンダー ステー ボルトとフェンダー ステー バッジ。
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後輪ブレーキ支点に旧JIS刻印
後輪ブレーキ支点ボルト頭にマルキン刻印。
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革製ハンモックサドルにはあまり使用感がありません。
後ろにバッヂ付き。
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上面に刻印
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両側にも刻印
(旧漢字→丸金自転車工業株式社)
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シートグに旧JIS刻印
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シートピラーボルト頭に刻印
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シートチューブにバッヂ
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シートチューブに転写マーク
リア泥除けに前泥除けと同じように刻印
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ボットムブラケット分解・掃除
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グリースアップ
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チェーンホイールカバー(鳩目)の上に商標刻印、下に「旧漢字→丸金自車工業株式社」。
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チェーンケース取り付け金具に刻印.
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ゴム製ブロックペダルには摩耗の兆候はほとんどありません。
ゴムブロック各面に刻印
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荷台の板に「MARUKIN WORKS」と商標の刻印
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荷台の後ろに塗装入りバッヂ
リア泥除けに大きな泥除けステーバッヂ
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反射板 の枠に商標刻印
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リア泥除けステーとチャネル式スタンドに商標刻印
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バンドブレーキに「MAURKIN WORKS]と商標の刻印
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バンドブレーキ分解・掃除
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往復レバー、ローラー用泥除け付きと三共製(Sankyo)及びJISマーク入りバッジ付きダイナモ (6V6W)
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商標刻印入り頑丈なロック
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リアリムのバルブ両側に商標刻印
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まさに日本自転車歴史の一台です。
全てオリジナルパーツ。
Mさんに脱帽です!

2023年7月23日 (日)

丸金(マルキン)自転車 (前半)

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今回は、静岡県の修復家Mさんが最近レストアされたマルキン自転車について見ていきます。
写真を送っていただきありがとうございました。
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まずは、マルキン自転車の会社について少しご紹介します。
これはマルキンの商標です。
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マルキンは、90年以上前の1932年(昭和7年)から自転車生産を開始しました。
1950 年代には、「マルキン自転車の唄」がありました。
(歌詞の「マルキン ホイのホイのホイ♪」は1984年とんねるずの「振り向けば自転車屋」の歌詞にも出ます。)
1972年に池袋本社工場が大火災に見舞われ全焼しました。 
惨状から立ち直ることができず、1977年に自己破産し、同年にホダカ物産株式会社がブランド(商標)を買収しました。

マルキン90周年を記念して、2021年に100台限定モデルを出しました。
コンセプトは、1950年代の実用車の特徴(黒エナメル塗装金線引き背を伸ばして椅子に座っている姿勢風切りサス付きサドルヘッドランプ大きな荷台チャネル式スタンドなどなど)を彷彿とさせながらも軽量で、最新の機能とテクノロジーをすべて詰め込んだ自転車をデザインすることでした。

風切りに注目→ "Since 1932  MARUKIN".
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Mさんのマルキンはよく残っていました。
ハンドルに取り付けられた鑑札も含め、オールオリジナルです。
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実に眠り姫です。
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オールオリジナルのみならず、それほど乗られていなくておそらく倉庫かどこか屋内で長年眠っていました。 

ブリヂストン自転車(①プロジェクトの選択)で述べたように、自転車に乗った人の身体が自転車に接触した部品(握り、サドル、ペダル)の減り具合をよく見れば、ある程度その自転車がどれだけ利用されたか推測できます。

1. 握り(グリップ)
端に多少のダメージはありますが、使用感は少なく、マルキン商標が鮮明に残っています。
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②革製サドル
使用感はほとんどなく、リベット周りに大きなひび割れなどはありません。
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マルキン商標が鮮明に残っています。
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3. ペダル
グリップやサドルと同様に、ゴムブロックペダルにも摩耗の兆候はほとんどありません。
繰り返しになりますが、マルキン商標が鮮明に残っています。
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上記に加えて、前輪リムの摩擦摩耗縞や前後タイヤのトレッドを確認することも役立ちます。
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このようなオールオリジナル、あまり乗られていなくてかつ保管状態がよいのがレストアプロジェクトピラミッドの頂点ですが、入手困難になってきています。
修復プロジェクトのピラミッドのさらに下には、以下の山口丸ワイ号のような、さまざまな程度の、より一般的な風雨にさらされ、壊れた錆びた遺物があります。
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しかし、以前の投稿でHさんが証明してくれたように、情熱と根気さえあれば、甦らせることができます
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「マルキン自転車(後半)」では、Mさんのマルキン自転車の詳細をご紹介します。


 

2023年6月24日 (土)

ヘッドランプ 第10回(最終回)

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ヘッドランプ連載の最終回です。
Sanyo

ヘッドランプ第1回」(国産ヘッドランプの紹介)
ヘッドランプ第2回」(さまざまな取り付け位置とランプ掛け)
ヘッドランプ第3回」(昭和30年以前
3つの特徴)
ヘッドランプ第4回」(昭和30年以降の特徴)
ヘッドランプ第5回」(補助球、速度計、走行距離計付きランプ)
ヘッドランプ第6回」(照射光焦点調節)
ヘッドランプ第7回」(電線の編み方)
ヘッドランプ第8回」(ダイナモ式以外のヘッドランプ
ヘッドランプ第9回」(電池式ヘッドランプ)

ダイナモ (発電機)
National-lamp

非常に古いダイナモです。
本体に注目。
仕上げは黒エナメルです。
ダイナモを作動・ロックさせる往復レバーがないことにも注目。
往復レバーが欠けているわけではありません。
昔のダイナモはこんなものでした。
であれば、「ダイナモに往復レバーがない場合、どうやってダイナモを作動・ロックさせるのでしょうか?」
最後までお読みください。
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バッヂには「SUPER CHERRY DYNAMO LAMP」12V 0.5 Ampsと書かれています。
JIS (日本工業規格) マークがないので少なくても65年以上前のものです。
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底部にはヘッドランプ用とテールランプ用の 端子2本があります。
区別が付くようにテールランプ用の端子は赤色で塗られたそうです。
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National ブランドのダイナモを 2台紹介します。
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繰り返しになりますが、どちらにもダイナモを作動・ロックさせる往復レバーがありません。
両方ともバッヂが付いています。
ただし、左側の方は JIS (日本工業規格) マークがなく、製造元は「SANYO ELECTRIC CO. LTD」ではなく「SANYO ELECTRIC WORKS」であるため、右側の方より明らかに古いです。
両方のバッジは、ヘッドランプ「H」とテールランプ「T」の電圧/ワット数が表示されています。
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どちらも底部に 端子2本があり、「H」 (ヘッドランプ) と「T」 (テールランプ) の刻印があります。
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ダイナモの年式は、ダイナモに往復レバーが装備されているかどうかに基づいて大まかに判断できます。
限られた資料に基づくと、往復レバーは 昭和31年(1956 年)にナショナル ブランド モデルで初めて輸出カタログに登場し、昭和33年(1958 年)までに事実上他のほぼすべてのメーカーが動向に追随するようになりました。

下の写真は昭和31年(1956年)の輸出カタログからのものです。
説明では、National ブランド (右下) のみに「往復レバー」が装備されていることに注目。
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昭和33年(1958年)の輸出カタログ。
説明では、すべてに「往復レバー」が装備されていることに注目。
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ダイナモもう2台を見てみましょう。
どちらも「 往復 レバー」が装備されているので昭和31年(1956年)以降のものです。
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往復レバーは便利な機構です。
レバーを押し下げる(モデルによって引き上げる)と、バネ仕掛けのロックが解除され、ダイナモ ローラーがタイヤに成形されたダイナモ ローラー用トラックにもたれかかり作動します。

ロック状態
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ロック解除→作動状態
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左:  レバーを押し下げてロック解除→ダイナモ作動させる
右:  レバーを引き上げてロック解除→ダイナモ作動させる
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ダイナモが作動すると、ローラーがタイヤに擦れて抵抗が生じ、ペダルを漕ぐのが少し重くなります。
日中、使用しない時はダイナモをロックしておきます。

往復レバーが登場する前は、ダイナモを作動させるのに一苦労及び手が汚れました。
手でダイナモ本体を握って、前方にしっかりと引っ張ってバネ仕掛けの機構(ロック)が解除するというものでした。
ダイナモをロックするには、前方に引っ張って元の位置にひねる必要があるのと同じくらい一苦労及び手が汚れました。

こちらは、引き上げて係合するダイナモレバーが付属した非常に珍しいチェーンです。
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チェーンの長さは50cmです。
一端はダイナモレバーの小さな穴に取り付けられ、もう一端はハンドルのフロントブレーキロッドにクリップされるか(ダイナモをフロントフォーク、前輪に取り付ける場合)、またはサドルスプリングにクリップされます(ダイナモを シートステー、後輪に取り付ける場合)。
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チェーンを引き上げるとダイナモレバーが上昇してロックが解除しダイナモが作動し、ライダーは降りずにダイナモを作動させることができます。
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最後に、付属品をもう一つ。
ローラー用泥除けです。
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以上、フロントヘッドランプ(ヘッドライト)連載でした。

2023年5月28日 (日)

ヘッドランプ 第9回

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【ヘッドランプ連載】
ヘッドランプ第1回」(国産ヘッドランプの紹介)
ヘッドランプ第2回」(さまざまな取り付け位置とランプ掛け)
ヘッドランプ第3回」(昭和30年以前
3つの特徴)
ヘッドランプ第4回」(昭和30年以降の特徴)
ヘッドランプ第5回」(補助球、速度計、走行距離計付きランプ)
ヘッドランプ第6回」(照射光焦点調節)
ヘッドランプ第7回」(電線の編み方)
ヘッドランプ第8回」(ダイナモ式以外のヘッドランプ

前回の記事でも触れましたが、今回は電池式ヘッドランプについて見ていきます。
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この電池式ヘッドランプの興味深い特徴は、二重目的で設計されていることです。
それはヘッドランプと懐中電灯の両方です。
ランタン(手提げランプ)のように持ち運べるハンドルに注目。
英語のカタログでは、これらのヘッドランプは通常「ハンドランプ」と呼ばれます。

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これらのハンドランプには、ハンドルバーのボルトに簡単に取り付けることができる取り付けブラケットが付属していました。Img_6671a
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ハンドランプはヘッドセットの標準ランプ ブラケットに取り付けることもできます。
(ランプブラケットの詳細については、第2回 を参照してください。)
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バッテリー収納部は2種類ありました。
1.  1.5V 乾電池2本入り用の収納部
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 1.5V 乾電池
Twin-15v-batteries

2. 小型乾電池用の収納部
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小型乾電池
Dry-cell-battery

メーカーはいくつかあり、その中にはナショナル(現在のパナソニック)、岡田、三洋電機、東芝(マツダ→自動車と無関係)などがありました。
ナショナルブランドの名を冠した最初の製品が昭和2年(1927年)に発売された「ナショナルランプ」であることは国内でよく知られています。
ケースは当初ベークライト素材で作られていましたが、後に金属製になったそうです。
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裏面の乾電池入りカバーの商標刻印
大正9年(1920 年)に遡る松下電器・ナショナル(パナソニック)の「M矢の商標」に注目。Img_6681

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National(ナショナル)
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Okada (岡田)
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Sanyo (三洋)
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松田(東芝)
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次回の投稿では、ダイナモ (発電機) について見ていきます。

2023年4月30日 (日)

ヘッドランプ 第8回

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このヘッドランプ連載は、
ヘッドランプ第1回」(国産ヘッドランプの紹介)
ヘッドランプ第2回」(さまざまな取り付け位置とランプ掛け)
ヘッドランプ第3回」(昭和30年以前
3つの特徴)
ヘッドランプ第4回」(昭和30年以降の特徴)
ヘッドランプ第5回」(補助球、速度計、走行距離計付きランプ)
ヘッドランプ第6回」(照射光焦点調節)
ヘッドランプ第7回」(電線の編み方)

これまで最も人気のあるダイナモ (発電機) 式ヘッドランプに焦点を当ててきました。
ダイナモ自体については、このシリーズの後半で取り上げる予定です。

昭和26年(1951年)から 昭和34年(1959年)までの「Japan's Bicycle Guide 」によると、昭和26年(1951年)にはダイナモ (発電機) 駆動モデルが6台記載され、昭和34年(1959年)には 32台に増えました。
ただし、当時ダイナモ式以外のヘッドランプが他に2種類ありました。
それは「オイル式 ヘッドランプ」と「電池式ヘッドランプ」です。

オイル式ヘッドランプ
前述のカタログには、昭和26年(1951年)に 2 つのモデルが記載され、昭和27年(1952年)以降昭和33年(1958年)まで同じ単一モデルのみ出ていました。
昭和34年(1959年)以降、オイル式ヘッドランプが消えました。
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電池式ヘッドランプ
前述カタログに昭和26年(1951年)~昭和34年(1959年)まで2つ~3つのモデルしか記載されていません。
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しかし、それは輸出カタログのモデルに基づいてなので、国内市場にははるかに広い範囲があったようです.Img_6460
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この連載の次回の記事では、電池式のヘッドランプについてもう少し詳しく見ていきます。

2023年4月 2日 (日)

ヘッドランプ 第7回

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このヘッドランプ連載は、
ヘッドランプ第1回」(国産ヘッドランプの紹介)
ヘッドランプ第2回」(さまざまな取り付け位置とランプ掛け)
ヘッドランプ第3回」(昭和30年以前
3つの特徴)
ヘッドランプ第4回」(昭和30年以降の特徴)
ヘッドランプ第5回」(補助球、速度計、走行距離計付きランプ)
ヘッドランプ第6回」(照射光焦点調節)

今回の投稿では、ヘッドランプをダイナモに接続する電線(コード)を見てみたいと思います。
実は、電線そのものは何も面白くありません。
何が面白いかというと、電線の「編み方」です。

昭和20年代後半~30年代前半(1950 年代)まだレストアされていない当時そのままの状態の下記の写真の電線に注目してください。
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自転車が風雨にさらされていても、電線は他の部品より大抵良い状態になっています。
写真の例では、すべての電線がチェーンステッチ(鎖編み)で編まれていることに注目してください.
このチェーンステッチの機能は2つ。
基本機能は、余った電線を切り落とさずに短くできること。
切り落としたら勿体ない主義の概念に反してしまいます。
もう一つは二次機能、つまり美的な機能です。

軽快車や実用車の場合、ダイナモは主にフォークに取り付けられていました。
ただし、軽運搬車や重運搬車と同様にシートステーに取り付けられた場合もありました。
個人的にシートステーに取り付けるのが好みです。
 
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シートステーからダイナモまでチェーンステッチを使いました。
やりすぎ?
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この編み方の良いところは、電線の余った分を捨てずに再利用できるだけでなく、装飾的でもあることです。

2023年3月 5日 (日)

ヘッドランプ 第6回

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このヘッドランプ連載は、
ヘッドランプ第1回」(国産ヘッドランプの紹介)
ヘッドランプ第2回」(さまざまな取り付け位置とランプ掛け)
ヘッドランプ第3回」(昭和30年以前
3つの特徴)
ヘッドランプ第4回」(昭和30年以降の特徴)
ヘッドランプ第5回」(補助球、速度計、走行距離計付きランプ)

今回の投稿は、見落とされがちな単純な機能→照射光焦点調節です。
照射光の焦点しぼりこみ、ワイド⇔スポットの調節ができます。
調節は外部と内部の2種類があります。


【外部の照射光焦点調節】
昭和30年ごろまで一部のモデル、主にハイパワーの12V~20Vモデルにはランプ本体背面のダイヤルで照射光焦点調節ができました。
このダイヤルにより、走行中に光焦点の調節ができました。
下記ランプの背面ダイヤルに注目。

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【内部の照射光焦点調節】
外部の照射光焦点調節 と違って走行中は調節ができません。
自転車に乗る前に照射光焦点を調節し、一定にします。
方法としては、カバーを開けてソケットと電球を取り外します。
ソケットに切り込み階段があり、それに電球の両側ピンを合わせます。
階段の上に合わせるとワイド光焦点、下に合わせるとスポット。
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カバーを開ける
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ソケットと電球
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取り外す
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電球両側のピンをソケット切込み階段に合わせます。
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電球ピン
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ソケット切込み階段
階段より上に合わせると光焦点 がよりワイドになります。
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2023年2月12日 (日)

ヘッドランプ 第5回

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このヘッドランプ連載では、
ヘッドランプ第1回」(国産ヘッドランプの紹介)
ヘッドランプ第2回」(さまざまな取り付け位置とランプ掛け)
ヘッドランプ第3回」(昭和30年以前
3つの特徴)
ヘッドランプ第4回」(昭和30年以降の特徴)
今回の投稿では、興味深いヘッドランプを見ていきます。

1. 補助球
昭和30年ごろから、一部のモデルには補助球が装備されました。
本球ほど明るくも大きくもない小さな電球ですが、使用することによってより明るくなります。
バイクや自動車のロービーム・ハイビーム機能のようなものでした。
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一部のモデルには、本球と補助球を切り替えるスイッチがありました。
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このモデルは、第4回 で見たように、昭和30年ごろのヘッドランプの典型的な特徴を備えています。
弾丸型、扉開き(ちょうつがいでフロントカバーとボディに繋いでいる)、押しボタン式の開口部、およびシングル フランジ。
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ナショナル・三洋 「National, Sanyo Electric Co., Ltd.」
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補助球装備の例:「Hatsune (初音製)」。
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本球と補助球、 電球2個で同じ概念。
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このモデルは、第 4回 で見たように、昭和30年ごろのヘッドランプの典型的な特徴を備えています。
弾丸型、扉開き(ちょうつがいでフロントカバーとボディに繋いでいる)、ネジ式の開口部、およびシングル フランジ。
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興味深いことに、このモデルには予備の本球だけでなく、予備の補助球も収納されています。
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2. スピードメーター(速度計)とオドメーター(走行距離計)装備のヘッドランプ
昭和20年代後半~30年代前半の物ではありませんが、サンキョー製のスピードメーター・オドメーター内蔵の面白いモデルです。

注: 東京都狛江にある長寿自転車商会の店主谷田部氏に感謝します。
94 歳で日々パンク修理、タイヤ交換などの自転車修理をしています。
この珍しいモデルを親切に教えて下さいました。
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2022年9月 4日 (日)

日米冨士冊子 昭和11年【後半】

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前回、日米冨士冊子【前半】で昭和11年(西暦1936年)の希少な日米冨士冊子を見始めました。
この冊子は、愛知県刈谷市の「高橋自転車商会」の店主が、多くの昭和自転車愛好家も参照できるようにスキャンして 送って下さいました。
高橋自転車商会」 に感謝!

今回、後半を取り上げます。

「求婚三銃士」というコメディー映画の物語。
写真を拡大して自転車によく見て下さい。
セルロイド製チェーンケース商標作り込みチェーンホイールに注目。
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次ページ、上の写真、イギリスの交通大臣が自転車専用道路でダルマ自転車に乗っています。
下の写真、カバー付き人力車を引っ張っている自転車タクシー。
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アメリカでズボンが短すぎ規則。
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婦人サイクリング倶楽部
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本冊子には女性サイクリングを宣伝する枚数が多い。
発行の一年前、昭和10年(1935年)に「女性と冨士自転車」という写真集を発行しました。
(下記は表紙→逆読み)
1935
1935-5

冊子に戻ります。
帝国ホテルで日米商店創立三十五周年
T21

日米商店發賣(発売)品總目録
T22

日米商店発売自転車の特色
1. あるゆる特徴を完備
2. 耐久力
3. 乗り心地
4. 品位
5. 奉仕と責任
ハンモックサドルのサスペンションコイルに筒型の革製道具箱に注目。 
不思議なことに、風切が付いているモデルは一台もありません。
セルロイド製チェーンケース商標作り込みチェーンホイールに注目。

T23

国産覇王冨士自轉車の三つ特許
1.特許冨士ハンガー
2.特許冨士ハブ
3.特許フレームパイプ
T24
T25

懸賞
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各廳(庁)會社へ納入
樺太廳に注目
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冨士フェザーモデルの宣伝
戦前のモデル。
前ブレーキを見かけません。
興味深いことに、昭和11年(1936 年)にさかのぼると、リアケーブル ブレーキを装備したモデルを製造していました。
ほぼ 10 年前、戦後の婦人ハイエンド 冨士フェザーの。
T28

愛知県刈谷市の「高橋自転車商会」の店主が、多くの昭和自転車愛好家も参照できるようにスキャンして 送って下さいました。
高橋自転車商会」 に感謝!

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