工具関係 (Tool Related)

2023年11月 4日 (土)

黒エナメルスポーク

I'll be back with another English post soon until then stay trued and happy wheels. 

自転車も自動車と同じように、最初は標準色である黒一色であったと以前述べました。
黒は地味に見えるかもしれませんが、風切りバッジ金線引きと転写マークがアクセントになっていました。

スポークも黒エナメルでした。
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1950年代の実用車用一台分のスポーク
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包み紙(パッケージ)に記載されている情報を見てみましょう。
合同スポーク 黒エナメル  ニップル ワッシャー付
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"#14 - 26" 1台分
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重要な情報が欠けていることに気づきましたか?
車輪を組んだことがある方は、正しい長さを得ることがいかに重要であるか分かるでしょう。
しかし、パッケージにはこの重要な情報が記載されていません。
実は、これが「当時」と「現代」の興味深い違いなのです。

「昔」の実用車用のスポークは、基本的に 283 mm の標準サイズ 1 つでした。
標準サイズのハブと 26 インチはBE リムに適合します。
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車輪を組み立て、振れ取りし、スポークカッターで余分な部分を切り取り、やすりで削りました。
70年以上前のスポークカッターですが、デザインは現在使用されているものとほぼ変わらないです。
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珍しいスポークカッターを見ましょう。
変わっているデザインですよね。
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先端高さの調整可能な溝はスポークとニップルにはまります。
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切断刃はニップルヘッドの上に合わせます。
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奇妙なデザインにもかかわらず、この工具が意外にうまくスポークを切断して驚きました。
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興味深いことに、スポークの長さが記載されているパッケージを見たことがあります。
但し、実用車用のではなく、より細い (#15) を使用する軽快車用です。
 下の写真のようにパッケージには「285/mm」の上にスポークが「2mm長い」と明記されています。
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荷台も車体やスポークと同じように黒エナメルが多いです。

次回は荷台を取り上げます。

2023年10月21日 (土)

Black Enamel Spokes

次回、この記事の日本語版を投稿します。

I've mentioned before that bicycles, much like automobiles, first came in one standard color, black.
Black may seem plain but the bicycles were accented with badges (link Japanese only), and typically gold pinstripes and decals.

Even the spokes were black enamel.
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A typical package of spokes for a utility cycle from the 1950s.
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Let's take a look at the information on the package.
"GODO Spokes, Black Enamel with Nipples and Washers"
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"#14 - 26" (14 gauge, 26 inch rim) 
"Count For One Bicycle"
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Recognize any important information missing?
If you have ever built your own wheels, you know how important it is to get the correct length.
But, there is no information on the package indicating this crucial information.
Actually, this is an interesting difference between "then" and "now".


In the "old days" spokes for utility cycles basically came in one standard size 283mm.
These would fit a standard-sized hub and 26" BE rim.
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The wheel was assembled, trued, excess cut off with a spoke cutter and filed down.
70+ year old spoke cutter, but the design is similar to those used today.
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Here is an interesting old tool.
A uniquely designed spoke cutter.
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The adjustable slit on the tip fits onto the spoke and nipple.
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And the cutting blade rests atop the nipple-head.
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Despite the odd-design, I was surprised how well this tool works.
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Interestingly, I've seen packages that do indicate the spoke length, though typically it is on spokes for roadsters which use a thinner gauge (#15).  And, even then, as in the photo below, the package clearly indicates above the "285/mm" that the spokes are "2mm longer". 
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In the next post, we will look at (luggage) racks.

2022年6月11日 (土)

ビユーセージ

I'll be back with another English post soon until then stay trued and happy wheels.

頻繁に使う物は歳月が経つにつれて味が出ることに気付いたことがありますか。
以前「物に魂が宿るか」で軽く触れました。
特に対象の物は、本物の材質で作られ体に接触する物です。
たとえば、衣服。
衣服は皮膚の一層のようで、着れば着るほど特定の場所で個性が出てきませんか。
愛着があるお気に入りの使い古されたブルージーンズ、革製野球グローブ、革製靴、革製自転車サドルなど。
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歳月経過とともに繰り返し使用するこによる味(使い込まれ感)や美しさは、しばしば「Beusageビユーセージ」と呼ばれます。
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手工具も手作業、例えばネジを回したり、ナットを固定させたり、ネジ山を切ったりすることは、一時的に体の一部になります。
手工具に手を加え作業するからこそ、一時的に身体の延長となるので使い込まれてくるとビユーセージが出ます。Img_4096 

この「ビユーセージ」は、勿体ない主義よりまるで「勿体ない教」。
モノを大事にして、直しに直して直し切れなくなるまで使用し、もう直し切れなくなったら捨てずにそのモノに尊重及び感謝を示すように別の目的を与えることによって
再利用でモノが生まれ変わるのです。
昭和初期~中期は物がない時代で、端切れや廃材などを利用して物を自作していました。
こちらの自転車修理椅子は約70年前に廃材で作られたもの。
まだまだ現役!!

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2022年4月16日 (土)

道具箱(第三回)

I'll be back with another English post soon until then stay trued and happy wheels.

「道具箱(第1回」では、シートチューブの裏上に取り付けられた金属製の道具箱を取り上げました。
前回の「道具箱(第二回)では、ハンモックサドル専用に設計されていた革製の道具箱を見ました。
今回は、もう一つ珍しい革製道具箱を見ましょう。

高級サドル裏側のストラップ穴に取り付けるように出来ている道具箱です。
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表に開け閉め用の金具が付いていません。
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少し変わっている断面図。
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開け閉めは右側面に付いている革製ストラップで行います。
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ストラップは底をスナップで閉じています。
開くには、ストラップを引き下げてスナップを外します。
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ストラップを引っぱると工具入れが出てきます。
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工具入れ
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「道具箱(第二回」で見たハンモックサドルと同様に、内側の工具入れが取り出せるようにできています。
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中には工具4本
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工具に「Kennet」刻印
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以前、「アイデア考古学」を言及しました。
古い物は現代版の先祖です。

2022年4月 1日 (金)

Tool Kit (Part 3)

次回この記事の日本語版を投稿します。

In "Tool Kit (Part 1)" we examined a metal tool box that attached directly behind the top of the seat tube.  And, in the previous post, "Tool Kit (Part 2)", we took a look at a tool kit; one made of leather and specifically designed for hammock saddles.  In this post let's take a look at another unique leather tool kit.

This one fastens to the two eyelets provided on the back of high-end saddles.
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Note that the front has no open/close fasteners.
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Also a unique profile.
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A leather strap attached to the side snaps to the bottom to keep the kit closed. 
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To open, pull down on the strap to unsnap it.
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Pull on the strap.
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And the tool kit slides out.
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Similar to the hammock saddle tool kit we saw in "Tool Kit (Part 2)"  the inner pouch can be pulled all the way out.
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The kit has a set of four tools.
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Tools are stamped "Kennet"
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I've mentioned what I like to call "Idea Archeology".  Old things are the ancestors of today's version.  Frozen in time, old things are unique because they are a virtual time machine enabling us to have a glimpse of the design, technology, materials, features, functionality and ideas of their generation.

2022年3月19日 (土)

道具箱(第二回)

I'll be back with another English post soon until then stay trued and happy wheels.

前回の投稿「道具箱(第1回」では、シートチューブの裏上に取り付けられた金属製の道具箱を取り上げました。
今回は、ハンモックサドル専用に設計されていた革製の道具箱を見てみましょう。
筒型の革製道具箱で、ハンモックサドルのサスペンションコイルの中に差し込むように出来ています。
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道具箱は二重の筒で出来ています。
つまり、外側筒(本体)と道具入れの内側筒。
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道具はオレンジ色の布に包まれています。
その布は道具を固定させ、鳴らない用途と万一途中どこかでメンテすることになったら、その後手拭きができると推定します。
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中には小さな油差しと工具4本。
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油差しと工具一式 
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スパナ―類
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次回は、別の道具箱を取り上げます。

2022年3月 4日 (金)

Tool Kit (Part 2)

次回この記事の日本語版を投稿します。

In the previous post "Tool Kit (Part 1)" we examined a metal tool box that attached directly behind the top of the seat tube.  In this post we shall take a look at another tool kit; one made of leather and specifically designed for hammock saddles

Here is the leather tubular tool kit specifically designed to fit inside the hammock saddle frame loops.
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The kit is designed as a tube within a tube.
That is, an outer tube (case) and an inner tube containing the tools.
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The tools are wrapped in an orange cloth.
The cloth prevents the tools from jingling and can be used to wipe one's hands after performing any maintenance or repairs.
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The kit contains an oiler and set of four spanners.
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Oiler
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Set of four spanners
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In the next English post we shall continue to look at vintage Japanese tool kits.

2022年2月19日 (土)

道具箱 (第一回)

I'll be back with another English post soon until then stay trued and happy wheels.

➀昭和自転車【導入偏】, ②現代の作りと違う【前半】【後半】で現代の自転車にはない昭和自転車の特徴をある程度までまとめました。
しかし、まだまだ特徴があります。
その一つは金属製の道具箱です。

金属製の道具箱は紳士用自転車にも婦人用自転車にもシートチューブの裏上に取り付けられていました。

紳士モデル
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婦人モデル
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昭和30年前後の金属製の道具箱。
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黒エナメル塗装金線引きと金色文字
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左開きでワイヤ取手を上に上げると開きます。
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中には小さな油差しと工具4本。
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油差しと工具一式
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表面にがありますが、未使用のようでした。
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緑エナメル塗装と金線引きと金色文字版
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次回、別の道具箱を取り上げます。

2022年2月 4日 (金)

Tool Kit (Part 1)

次回この記事の日本語版を投稿します。

In the three videos "➀Vintage Japanese Bicycles (Introduction)",   "②They Don't Make Them Like They Used To (First Half)" and  "③ (Second Half)" I captured some of the features of vintage Japanese bicycles that are no longer commonly found on today's bicycles.  But there are still many others.  One additional feature is the metal tool box (tool kit).

The metal tool box clamped on directly behind the top of the seat tube, both on gents & ladies models.

Gents model
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Ladies model
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Here is an actual metal tool box dating back to the mid-1950s.
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It is black enamel with gold lettering and pinstripes.
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It opens from the left side by sliding the wire loop upwards.
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The door pivots on hinges, and inside there is a small oiler (oil can) and set of four tools.
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Oiler and set of tools.
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There is some rust, but no wear and tear.
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The same style metal tool box, in green & gold.
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In the next English post we shall continue to look at vintage Japanese tool kits.

2021年2月28日 (日)

サス付き革製サドル(第十一回)

I'll be back with another English post soon until then stay trued and happy wheels.

今まで「サス付き革製サドル第一回」「第二回」「第三回」「第四回」,「第五回」,「第六回」の記事で、
昭和20年代後半~30年代前半の革製サドル6種類800系750系 、900系500系600系1300系それぞれを見て来ました。

そして、前の四つの記事(第七回),(第八回)(第九回), (第10回)で、
サス付き革製サドルの手入れ用の専用手工具ハンモックサドル用の「皮張り器」「バネ開き器」「サドル(メガネ)レンチ」「サドルナット(移し替え)スッパナー」を見て来ました。


今回は、兼用工具を見てみましょう。

下図のように手工具の上半分は「ブレーキレバーナットスパナー」、下半分は「サドルワニナットスパナー」です。
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この手工具です。
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Hataya Tool Co.(畑屋)
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繰り返しになりますが、上半分はブレーキレバーナットに使用されます。
これについては、今後の投稿で取り上げます。
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そして、今回取り上げる下半分の「サドルワニナットスパナー」です。
もう少し見てみましょう。
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ワニ口のような受け部は、さまざまなナットサイズに対応するように設計されています。
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フラットで薄型プロファイルを備えているため、狭いサドルバネのコイルの間に入りやすいです。
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「サドル(メガネ)レンチ」 と比較すると、この「サドルワニナットスパナー」は1本で様々のサドルナット類に適合し、ナットのサイズを気にする必要はありません。
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コイルの間にワニ口の歯がナットの角に接触するまで挿入させるだけです。
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歯はサドルナットの角を食い込み、空回りを防ぎます。
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フラットで薄型プロファイルと、スパナーのサイズとナットのサイズを合わせる手間が省けて「サドルワニナットスパナー」は、サドルナットの緩めと締め付けを大幅に容易にします。
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サドルを分解したり再組み立てしたりする時、便利な手工具です。


 

より以前の記事一覧